解く催眠療法「パターン崩し」
今回は当院でおこなっている解く催眠療法【パターン崩し】について説明します。
私たちの「悩み」というものは、たった1回の出来事で作り上げられるものではなく、同じ出来事・失敗を繰り返し悩みとなります
そして、振り返ってみると、悩みとなる出来事に至るまで毎回同じパターンを繰り返してたりします
クライエントCさんの「特定の人Aさんとのコミュニケーションが苦手」という悩みですが、Aさんと話すと緊張してトンチンカンなことばかり言って自己嫌悪に陥るという結果に至るまでのパターンをホワイトボードに書き出し顕在化することにしました。
最初はなかなか出てきませんでしたが、時間をかけ丁寧に聞き出していくと・・。
沢山ご本人から意見を出されて、一連のパターンが出てきました。
脳は無駄な労力が嫌いで作業の効率化を図るために一連の流れを1つのパターンとして記憶します。
例えば、私たちが歩くときも、右足を出して踏み込んだら次は左足を床から離して・・なんていちいち確認しながら行っていないですよね?
歩行という動作を繰り返してるうちに意識しなくても動きのパターンを学習し記憶して勝手に一連の動作を行うことができます。
これと一緒でネガティブな感情に至る一連の流れもパターン化して記憶されます。
なのでこれまでのことを振り返りパターンを顕在化してみると、ほぼ全く同じことを繰り返していることに気づきます。
そして顕在化したパターンを「気持ち・感情」と「行動」に分けていきます。
この悪いパターンを崩すために1つか2つ、特にネガティブな結果と関連性の高そうなものを選び、やめていただくか別のものに変えていきます。
「気持ち・感情」は勝手にわいてくるものでありコントロールのしようがありませんので「行動」から選択します。
Cさんは音楽を生業としていることもありますし、音楽を聴くことは精神にもいい影響を与えたりするので、これを変える必要はないかと思いましたがよくよく聞くと、「Aさんと会う前日」に限ってはどの音楽もシックリくるものがなく特にご本人にいい影響を与えてないようだったのでやめてもらうようご提案させていただきました。
あと、「準備が遅れる」は回避行動を顕在化した時も出てきたものなのでこれもやめていただくようご提案いたしました。
Cさんのカウンセリングセッションをして2年近く経ちますが、Aさんに対する苦手意識はなくなりなんとも思わなくなったと喜びの声をいただきました。
次回はもうひとつの解く催眠療法「回避行動をやめる」について書かせていただきます。